【開発】昔と今で、開発はどう変わった?|AIを使う今だからこそ大事にしていること
こんにちは! ボンドバンドで代表をしながら、いまも開発の現場に入っている者です。 今日は「昔と今で、開発はどう変わったのか」と、AIとの付き合い方の話をします。
ボンドバンドを立ち上げたのは2014年です。それから12年、開発の道具はずいぶん変わりました。 特にこの1〜2年の変化は、それまでの10年分よりも大きいと感じています。
当社も2026年8月から、生成AIを前提にした開発体制へ切り替えました。 「AIで何でも速くなる」という話をよく聞きますが、実際に現場でやってみると、速くなったところと、逆に人の手間が増えたところがあります。 この記事では、その両方を正直に書いてみます。
2014年ごろの開発|調べて、書いて、また調べる
創業したころの開発は、ひとことで言うと「調べる時間がいちばん長い仕事」でした。
わからないことがあれば、まず公式ドキュメントを読み、それでもダメなら技術ブログや Q&A サイトを何ページもめくります。 自分のやりたいことにぴったり合う答えはなかなか見つからないので、似た事例を組み合わせて、試して、エラーを見て、また検索する。その繰り返しです。
コードも基本は一行ずつ手で書きました。 画面を1つ作るにも、入力チェック、保存処理、一覧表示……と、毎回ほぼ同じようなコードを書く必要がありました。
大変ではありましたが、悪いことばかりではありません。何度もつまずくうちに「なぜこう動くのか」が体に染みつきます。当時の苦労は、いまAIの出したコードを読むときの土台になっています。
2026年の開発|AIと一緒に組み立てる
いまの開発は、「AIに下書きを書いてもらい、人が判断して仕上げる」という形に変わりました。
たとえば業務システムの画面を1つ作るとき、まず「どんなデータを、誰が、どう使うか」を文章で整理します。 それをAIに渡すと、画面・保存処理・テストコードのたたき台が数分で出てきます。 人がやるのは、その中身を読んで「業務に合っているか」「抜けている条件はないか」を確かめることです。
調べものも変わりました。エラーが出たら、検索するより先にAIに聞きます。 原因の候補と直し方を一緒に出してくれるので、何ページも記事をめくることはほとんどなくなりました。
もう一つ大きいのは、ベトナムの開発拠点とのやり取りです。 仕様書の翻訳や、レビューコメントの言い換えにもAIを使っていて、言葉の壁がかなり低くなりました。
変わったこと3つ
12年を振り返って、いちばん大きく変わったと感じるのはこの3つです。
① 時間をかける場所が「書く」から「決める・確かめる」へ
昔は作業時間の多くが、コードを書くことと調べることでした。 いまはそこがぐっと短くなった分、「何を作るか決める」「出てきたものが正しいか確かめる」に時間を使っています。 書く手間は減りましたが、考える量はむしろ増えました。
② 試作がすぐ出せる
以前は、動く画面をお見せするまでに数週間かかることもありました。 いまは打ち合わせで聞いた内容をもとに、早ければ数日で「触れる試作」を用意できます。 紙の仕様書より、実際に触ってもらったほうが話は早く進みます。
③ 一人でカバーできる範囲が広がった
インフラの設定、画面のデザイン、テスト。 昔ならそれぞれ詳しい人に頼んでいた作業も、AIの助けを借りて一人である程度こなせるようになりました。 小さなチームでも、大きな会社と同じ幅のことに取り組めます。
変わらないこと|むしろ大事になったこと
道具が変わっても、変わらないものもあります。 むしろAIの時代になって、重みが増したと感じるのがこの2つです。
お客様の業務を理解すること
AIは、言われたものを作るのはとても得意です。でも「本当は何に困っているのか」までは、聞き出してくれません。 現場の方が当たり前すぎて口にしない手順や例外は、話を聞き、現場を見て、初めてわかります。 ここは昔も今も、人の仕事です。
責任を持って確かめること
AIの出すコードは、それらしく見えても間違っていることがあります。 動くけれど遅い、普段は正しいけれど月末だけ計算がずれる、といったものです。 最後に「これで大丈夫」と言えるのは、中身を読んで確かめた人だけです。
「AIで作ったから安い・速い」だけを売りにする開発には気をつけてください。作る速さは上がっても、確かめる工程を省けば、そのツケは運用が始まってから回ってきます。
AIを使うときに、うちで決めているルール
AIを開発に取り入れるにあたって、社内で決めていることが3つあります。
- お客様の情報は、AIに渡す前に必ず確認する
個人情報や取引データなど、外に出せない情報は渡しません。使うサービスも、入力内容が学習に使われない設定のものに限っています。 - AIが書いたコードも、人が書いたコードと同じようにレビューする
「AIが書いたから」は言い訳になりません。誰が書いたかに関係なく、同じ基準で読んで確かめます。 - 説明できないコードは使わない
動いていても、なぜ動くのかを担当者が説明できないコードは採用しません。あとで直せなくなるからです。
当たり前のことばかりですが、AIを使うと作業が速く進む分、この当たり前を飛ばしたくなる瞬間があります。 だからこそ、あえて言葉にして決めています。
お客様にとって、何が変わるのか
開発のやり方が変わると、システムを頼む側のお客様にもいくつか良い変化があります。
- 早い段階で「触って」確かめられる:完成してから「思っていたのと違う」となる前に、試作を見ながら直していけます
- 小さく始めやすい:まずは一部の業務だけシステム化して、使いながら広げる、という進め方がしやすくなりました
- 打ち合わせの時間を、本当に大事な話に使える:作業の手間が減った分、業務の流れや困りごとを聞く時間を多く取れます
一方で、変わらずお願いしたいのは「現場の話を聞かせていただくこと」です。 どれだけ道具が進んでも、良いシステムは現場の声からしか生まれません。
まとめ
昔と今の違いをまとめると、こんな感じです。
| 2014年ごろ | 2026年 | |
|---|---|---|
| 時間をかけていたこと | 調べる・書く | 決める・確かめる |
| わからないとき | 検索して記事をめくる | まずAIに聞く |
| 試作をお見せするまで | 数週間 | 早ければ数日 |
| 人がやること | ほぼ全部 | 業務の理解と、最後の判断 |
- AIで「書く」は速くなったが、「考える」「確かめる」はむしろ増えた
- お客様の業務を理解すること、責任を持って確かめることは、昔も今も人の仕事
AIは、使い方しだいで頼れる相棒にも、手抜きの言い訳にもなります。 12年前に一行ずつコードを書いていた経験を大事にしながら、新しい道具をうまく使いこなしていきたいと思っています。
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